水鏡文庫

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はりついた孤独

のどがひりひりする。ひりひりするのどにべったりはりついた孤独が嗚咽になる。悲しかった。

 

私の欲望は、いつも他者を介してでしか存在していなかったことに気がついて、この手は誰のために動いているのか、この血だらけの腕から剃刀を離すことができなかった。壁がぐにゃりとして、セメントみたいにぐるりと回って。そんな、あのときの私が、ぼろぼろ剥がれてきて、いままで必死に塞いできたのに、わからないように縫い合わせてきたのに、間に合わなくて嘔吐する。今日も、あと一歩が踏み出せなかった、地元の駅のプラットホームで咲いている一輪の花にキスをした。

 

なんて馬鹿みたいなこと考えながら帰りのバスに揺られている私は、きっといつまでもなにかを信じているんだろう。音楽も小説も、アニメだって、私を救えるものはなにもない。だけど、救えなくていいんだ。救えるなら、もっと生きているはずだから。救えなくても、私をやさしくなでてくれる。ママにしてほしかったことを、全部してくれる。赦されたい。

 

はりついた孤独はいつまでも、剥がれないけれど、私はどんどん剥がれていく。いつか、うつくしい私になれるのかな、でっかい虫みたいに脱皮したら、それを食べるだろう。

私の存在は私だけでいいのだ。

 

生きていたい