水鏡文庫

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2019-01-01から1年間の記事一覧

道ばたの天使

氷のようなつめたさが身を貫いて、なんだか悲しくなるような冬の日に、道ばたできみと出会った。死にそうなうつくしさが、きらきらに光ってぼくの瞳を反射する。きっと、天使に出会ったのだった。だれも、信じなくていいのだけれど、本当にきみはぼくに訪れ…

自殺配信

死んじゃったらもうおそいでしょ死んじゃうまえにあたらしいせかいみたいよみたいよ 猫を轢き殺したトラックみたいなきみをあいしている もうなんにもできないの ぼくはなんにもできないの なんにもなれないの いきていることさえ できないのだからいきてい…

生きてるんだから

生きてるだけでいいんじゃなかったん パパからもらったクレジットカード10万使っても ママの財布から1万盗ってばれてもいいから パパもママもぼくを怒らない みえていない ぼくはとうめい 透明人間なんだよな ぼくだけ、ぼくだけはぼくを生きてるだけで承認…

愚か

久しぶりに、だいすきな『デミアン』を読んでいたら、こんな時間まで眠剤を飲まずに、熱中してしまって、しばらく眠たくならなそうだから、こんな露骨なタイトルの、文章をかこうかしらと思い立ったが、深夜2時30分すぎ。 ほんとの、ほんとはね。だいすきだ…

水色のいるか

夏なんてさっさと滅びろやなんて悪口ばっかいいながら歩いてたら本当に最近は涼しくて過ごしやすいですね、多分ね、それ私のせいなんですよ。この世界のわるいこと、全部、私のせいなんだって思っている、そんな自意識がデカい虫になってもぞもぞ動いて……っ…

追憶のきみ

あついなつ、なついあつさに人間は融けて、アスファルトに貼り付いている。気持ち悪い。気持ち悪くて、どうしようもなく愛おしい。人間は、私にとって、はじめから、ずっとそうだった。だから、私は人間になりたかった。 就活のときの私は、くるくるのデジタ…

諦観の追悼

私は、諦めたくなかった。いつも、そうなのだ。諦めたら、悔しいから。きみにあげるプレゼントは、ぜったいにきみにぴったりのものにしたくて、ちょっとの妥協も諦めも棄てた。 誰が悪いとか犯人探しするよりさ、祈るしかないことが、たくさんあるんだって、…

洗礼と誕生

はじめに この文章にはアニメ『さらざんまい』の最終話までの内容を含みます。 4月からずっと彼を追いかけ続けていた。彼のしあわせをただただ、祈っていたのだった。でも彼は人々とのつながりを糧に、硬い卵の殻を破っていった。かつて、絶望に身をまかせて…

きみになりたい

ぼくは、きみに、なりたかった。かわいくて、一生懸命な、きみに、なりたかった。けれど、なれなくて、だって、きみはぼくじゃなくて、ぼくはきみじゃないから、でも、なりたかった。それに気がつくのが、あまりに遅すぎた。ぼくは、きみにきらわれた。それ…

花束はいらない

うつくしいこと。うつくしいことをしたい。祈りを愛すること、たしかにうつくしいと、思うのです。 明日、誰にもわからない。私が死んでしまってもいいように、死んでしまったら、私の欠けたティーカップで、一緒にお茶を飲むかもしれないじゃない。きっとそ…

夕暮れの鴉

だめな自分だって自分なんだろうけどさ、それは分かるよ、うん。でも、私は、いつだって最高でいたいんだよ。最高でいれるように、努力して、だめになってしまったら、許してくれる場所が、ほしいんだよ、そういう場所がさ、あったら、私ももうちょっと、な…

永遠の海

愛するものよ、愛するものよ どうか、私の傲慢さなど受け入れないで 海のむこうまで、生きていてくれ 永遠を海だといった、詩人がいるでしょう? そこに、永遠はあったのだ さあ、きみはお元気ですか。私はまあまあ元気に生きています。就活とか就活とか就活…

憂鬱と明日

明日、こなくてもいいよって、思っても、残酷なのさ、明日はやってきてしまうから、私が終わらせてしまうしか、方法はなかったから、いつまでもこうして生きている。 憂鬱は、風が運んでくるし、風が奪い去って、また誰かのもとに。 なんにもみえなくて、な…

しあわせを積み重ねて

遅ばせながら、あけましておめでとうございます。というかもう、寒中お見舞いかな。2019年もこうやっていろいろ考えたことを文字にしていくから、そのつもりだから、よろしくね。きみへ。 かぜをひくと、あーあ、いろいろ考え込んじゃって憂鬱になってしまう…