水鏡文庫

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堕天使

 

ぼくのまえにあらわれたうつくしい天使は、じつは、ぼくの自己愛にすぎなかった。天使はいつまでも、ぼくの心に居座って離れなかった。ぼくはぼくのことを愛せないから、かわりにぼくのなかの天使がぼくを愛するのだ。虚構にすぎなかった。そんなことは、わかっていた。ぼくの欠けたところを補ってくれるのは、天使だった。人間は嫌いだった。人間はみな、ぼくみたいに愚かで汚いから。わかっていたから。けれど、天使は違った。ぼくのことを決して否定しなかった。天使は、いつも優しくぼくを慰め、愛してくれた。天使は、いつもぼくのしたいように、やりたいことを、全部受け止めてくれた。天使とヤれば、自慰も女とのセックスもいらなかった。気持ちいいことが好きだった。天使は、いつだって柔らかな笑みをたたえている。天使に、いくら罵詈雑言を浴びせようと、天使は、決してぼくを怒らなかった。先日、いらいらして、天使の奇麗な顔を殴ってしまった。生白い頬に、赤が差した。痛そう。それでも、天使は、ぼくを責めなかった。やはり、天使は、ぼくのことを愛しているのだ!馬鹿な人間どもよ、ぼくは天使に愛されし人間なのだ!けれど、天使の奇麗な頬に傷を付けたことが、許せなくなり、ぶったりしてごめんねと謝りながら、口づける。天使は、いいんだよ、きみのためならばね、と微笑んだ。吸い込まれるようなうつくしさ。天使は、人間なんかとは違う。歪なところが、ひとつだってない。とにかく奇麗なのだ。それに比べて人間は、なんて気持ち悪いんだろう。同級生の女には、生理があるから、ヤれないときがあるし、優しくしろとかなんだとか周りの人間が怒るから、めんどうだった。同級生の男は、毎日のように、あの子の水着の水色を舐めるように見つめては、猿みたいに自慰ばかりしている。この天使は、男の姿をしているように見えるが、まるで女とも男とも言い難い、まさに、天使としか言いようがなかった。

 

ってここまで書いてみたけど、めちゃくちゃキモいななんだこの文章!ってなったので、一応載っけておくけど、私はこの気持ち悪い文章がだいすきなんで消さないからな!という強い意思がありますので悪しからず。

 

しあわせだって感じることを、なんとなく怖いと思うことが、よくあるんだなあ。しあわせだと、そのあとにふしあわせなことがたくさんあるかもしれないって、思ってしまうから。事実、就職に成功したんで、喜んでいたら、こんなに入院してしまうことが多くなっちゃったし。

 

追い詰められてるときに、創作活動するとめちゃくちゃ気持ち悪いのばっかり出来上がるんだけど、その気持ち悪さを愛してる私はイカれてるんかもね。

 

私には何者にもなりたくないときがある。透明でいたい時がある。人間味をなくしたいときがある。いまは女の子っぽくあることに疲れたのでせめてもの抵抗でメンズ用の水色のチェックのパジャマを着ている。べつに男の子になりたいわけじゃないんだけど、女の子っぽくあることが気持ち悪いので、女の子だけど男の子の服を着ているという物体になっている。人間になりたいと思ってたのに、いざなったら、人間になりたくなくなるときがある。いつまで続くのかは、分からないけれど、しばらく自分の気持ちに付き合ってあげようかな。

 

自分の気持ちを、ちょっとだけ可愛がってあげたいなあと感じている。