水鏡文庫

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しあわせを積み重ねて

遅ばせながら、あけましておめでとうございます。というかもう、寒中お見舞いかな。2019年もこうやっていろいろ考えたことを文字にしていくから、そのつもりだから、よろしくね。きみへ。

 

かぜをひくと、あーあ、いろいろ考え込んじゃって憂鬱になってしまうし、悪い夢もたくさんみる。真っ黒い渦がやってきて、私ごと飲み込まれてしまうような、そんな夢をみて、年が変わった。今年はどんな年になるのかなんて、ぜんぜん考えていないままに、私だけ取り残されていくみたいで、なんだか不思議だ。変かもだけど、嫌じゃなかったなあ。この世界に、私だけ。時空間をひとっ飛びできたみたいだった。

 

私は今年、大学4年生になる。なんとか身体を引きずってきて、やっと4年目。就活。

 

ぴしっとした服を着て、綺麗な束ねた黒髪で、忙しそうに歩いていくあの姿に、私はなれなかったし、きっとなれない。私は就活生が好きだったのだ。なれないから、好きなんだ。あの姿には、悲しみがあるから。ピンクや白い装飾のない、窮屈な黒いスーツが、私は嫌いだった。私を変えたブラウンのくるくるした髪も、触覚みたいな髪型も、ピンクのリボンのバレッタも、ぜんぶなくして、やっとできあがるあの姿に、私は尊敬のまなざしを向けていた。

 

怖かった。就活がどんどん友だちを飲み込んでいって、研究室であんなにもたのしげに哲学論を交わしていた子が、真っ黒なスーツに身を包みはじめるのが。私だけ、とりのこされて、いつまでも、ピンクのリボンを外せないのだ。

 

いつか、いままで死にたくて仕方なくて、しかたなく殺してきちゃったたくさんの自分の死に殻よりも、しあわせを積み重ねて積み重ねて、死に殻なんかみえなくなるくらいに、高いところまで登りつめようね。そうしたら、死に殻を抱きしめて、しあわせのいちぶにしちゃおうね。きっとだよ。約束だよ。

 

どうしても、伝えたいことがあるんだ。手紙をしたためて、投げた。届くかどうかなんて、分からないし、返信はなくたっていい。ただ、どうしても、どうしたって伝えたいことがあったから、何も怖くなかった。本当は会いたい。

 

きみに届けたいボトルメールが、たしかに海辺に流れ着いていた。

 

さあ、どうにかしようね。どうにかなるように、どうにかしようね。つくって、つくりあげたら、多分なにも怖くなくなるまで、続くんだろうけど。きみも、どうか、生きていてね。