水鏡文庫

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きみの横顔を

 

きみが生きていたという、その事実が、私を生かしているのだと。

 

月の淡いひかりに照らされたきみの横顔は、あまりに生きていて、なまなましくて、おもわず目眩がした。まるで、私が生きているというむきだしの事実を突き付けているかのようだ。それはあまりにくるしいことだから、私は逃げてしまいそうになったけれど、きみのひんやりしているあたたかな手を離してしまうことはできなかったよ。

 

どこかのしらない誰かが、生きていなかったら、私はいまここにいないかもしれないという事実を、しらないフランスのひとがしらないうちに書いた詩を読んで、しる。

 

誰がいるかじゃない、誰かがいることが重要なのだ。

 

行ったこともないフランスの話をしよう。でも、たしかにそのとき、フランスに私はいたんだよ、誰も信じないかもしれないけれど、きみだけが、そう、きみだけが信じてくれたら、それでいいからさ。

 

おもいやるって言葉がすきだ。遠く離れている君に想いを、遣るのだから。

 

今週はほんとうにだめな人間だった。大学に行かずに、ずっと眠っているしかできなかった。パパ、ママ、ごめんなさい。自己嫌悪に殺されそうだ。大学に行くと、生きている人間がたくさんいるから。私も、生きたいと必死で藻掻くから、つらいのだ。これは、擬態だ。人間になれない。

 

明日、死んでしまうような気がしているくらいに、何も無いいちにちが、また、何も無く過ぎていって、それが私を、内臓から侵食していく。

 

明後日、精神科だ。

 

 

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