水鏡文庫

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天使は皆死んだ

 

呼吸することさえ苦しい暑さのなかで、きみはなにを想っているんだろう。ぼくはあんまり生きていないけれど、きみはどうですか。世界がプランテーションだったら、ちょっと面白いな、なんて妄想しているよ。


人間はよわいよ。暑さに殺されてしまうくらいには。すごくよわい。みんなおんなじによわいよ。よわいのは人間が人間である限り、逃れられないことだよ。命懸けで生きているのだから、同情はいらないよ。


バスの窓から、外を眺めるのがすきだ。最近いちばん好きなのは、鴉が歩いているところ。真っ黒で生きていて、生きようとしてる鴉はうつくしくて、泣いてしまう。欠伸をして、泣いていないふりをしていた朝に。

 

分からないものに対して、分からないって言える勇気が欲しい。助けてほしいとき、助けてなんて言えなくて、でも、間違えることは恥ずかしくて仕方がない。怒られるのが怖い。勝手に涙が溢れてくるから、止め方がわからない。小さい頃、大人になったら泣いたりしなくてすむんだろうな、大人は泣かないもの、私も泣かなくなるはずだなんて考えていたら、そんなことはなかった。

 

レポートを書くとき、自分の過去を掘り起こしながら書いているから、ものすごくつらいし、つかれてしまう。でも、書きやすいんだ、過去の自分と対峙すると。

 

この日常が永遠に続くようにみえて、吐き気に襲われる、午後3時。

 

日常、なんて日々の繰り返しだし、それが人生なんだろうな。だからこそ、幸せをみつけようとするんだろうか。

 

怒りが、身を削る。

 

生きてること、ほんとなのに、ほんとじゃないみたいなかんじが、気付いたらずっとずっと続いてた。でも、これは変なのかな。私にとっての普通は、変なのかな。

 

いったいいつまでおんなじことで、自分自身を責め続けているのだろう。

 

私は向いてなかったんだ、だから、なるべくしてなったのだ。仕方ない。そんなふうに思わなくちゃまともに息もできない。息をすることさえ許されないようなみえない罪が、思いもしないほどに大きくなって、背中にまとわりついている。瞳をひらくと見慣れた天井に蒼いイルカが泳いでいた。

 

空で魚は泳げないのが、とてつもなく悲しい。

 

天使なら、もう死んだよ。

 

牧水の、白鳥はかなしからずや空の青 海のあをにも染まずただよふって詩が、ずっと好きだった。何処にも適応できない、自分みたいで。居場所を知らなかった私に、ぴったりの詩だった。

 

人工的に生きていようとするくらいなら、死んだって構わない。多分、私は悪くない。

 

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