水鏡文庫

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ぼくが死んだら

 

たとえばぼくが死んだら そっと忘れてほしい

淋しい時は ぼくの好きな菜の花畑で 泣いてくれ

 

森田さんが、死んでしまった。精神的にいちばん最悪だったときの私に、そっと語りかけてくれた存在。中学のときに存在を知って、今は大学に行くとき、しんどい朝はずっとCDを繰り返し聴いている。4月に亡くなったという知らせを最近に知って、私は森田さんがこの世界のどこかで生きていることが、心の支えだったのに、支えにしていたのに。いっそこのまま、ずっと知らないほうが、幸せだったような気がする。でも、死はうつくしい。うつくしいから、好きだ。それだけでうつくしいのに、もっとうつくしくなれる。

 

すごく性格の悪いこと言っちゃうね。亡くなった知らせを受けてさ、いろんなひとが、大好きでしたって言うのが、なんだか嫌だ。今まで話題にすらしてなかったくせに。平成最後とか知らんけど。

 

人間って死ぬと、死に価値を見出されるんだ。

 

死を怖がるのに、死に価値を見出すの、本当にとてつもなく矛盾しているけど、私は、死が大好きだ。

 

ご冥福をお祈りします。