水鏡文庫

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君のための詩を

 

君のための君が、私ではないと知ったとき、あなたに見えている私で、私みたいななにかを、君と呼んでいると知ったとき、私はどこにも存在しなくても、いい。

 

蒼い空もすべてが皮肉で、晴れよりも曇りのほうが、ずっと好き。曇りで、雨はほとんど降らないってあらかじめ分かっていて、だから傘なんて必要なくて。そんな、いい天気の日は、海を見に行きたくなる。なにもしたくない。自由になりたい。なんにも縛られない、そんな生活をしたいけれど、そこまで考えて、めっちゃ眠くなった。カントは、人間は常に向上しようとする生き物だからって理由で、怠惰を罪としたらしいよ。倫理学でやったんだけど。カントによれば、人間って常に向上しようとする生き物らしいから、私はカントから永遠に人間とは認めてもらえないっぽい。でもなんとなくなんだけどカント、好きだよ。橙色だから好き。カントって橙色だと思うんだけど、私にはそう見える。

 

人間のこと全然知らないから、人間のいろんなとこみてるのが、大好きだし、人間の感情が特に好き。強烈な感情が好きだ。

 

布団をベッドのうえでふたつに折って、その下のシーツと布団のあいだに、足を入れると、すごくひんやりして、ふんわりする。幸せ。

 

卒論構想発表、なんにも分からなくて、卒業まで生きている気もあんまりなくて、本当に先のことを考えるのが苦手だ。いま、歩いている足元しか見えない。

 

君がどこにいて、なにをしているのか、私にはわからないけれど、いつでも君のための詩をうたいたいんだ。わかってくれなくてもいいからさ。ただ、生きてることはたしかだよ。多分ね。

 

明日も多分、生きているよ。生活。

私の部屋の天井の電気に浮かんでる蒼いイルカみたいに生きていたいと思うんだけど、どうも難しいみたいだ。暗くすると蒼く浮かび上がる、そのイルカを、見つめて生きてきた。私の人生の半分くらいを、ずっと知ってる天井のイルカ。

 

体調崩して、気管支炎と肺炎を併発したんだけど、それで1週間ずっとベッドにいた。そうしたら、夢と現実がごちゃごちゃになるのも、うまく頭が働かなくなるのも、なんだかよくなったから、きっと限界だったんだろうね。限界突破したら、死んでた。気がする。

 

楽しいことも、ないわけじゃないし、でもね、私は私のこの最悪な人生がだいすきって、それだけは言えるんだ。

 

やっぱり、夏がくる。生きていこうとして、上手くいかないかもしれない、そんな夏が、そこまで来ているのを、雨の向こうに感じながら、今日もぼんやりとして生きていこうとするんだろう。きっと、そんな気がするよ。